INFORMATION

懐かしくも新しい80年代カルチャーが2020年には さらなる熟成へ!ヴィンテージIPの魅力とは

〜和製IPのグローバルサプライチェーン展開を行う<ダブルエル社> 2019年振り返り&2020年の展望を発表〜

1)2019年振り返り

〜日本で再熱した「80年代カルチャー」〜

 2019年は80年代のコンテンツが大きな盛り上がりを見せた年でした。
ロックバンド「クイーン」を描いた伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」は、2019年5月には興行収入が130億円と、歴代映画で17位にランクインし、爆発的な大ヒットとなりました。特筆すべきは、クイーン好きな40代・50代ばかりでなく、クイーンを知らない若者も多く詰め掛ける事態となったことです。
 また、Netflixは、日本の会員数は約300万人程度と発表。これを支えたのは、2019年夏から展開し始めたオリジナルコンテンツの「全裸監督」です。「テラスハウス」と同様に世界でも大きな注目をされたコンテンツとなりました。
 ゲーム業界でも80年代ゲームの注目度は高まっています。6月にロサンゼルスで開催された世界最大のゲームショウであるE3では古いゲームのアーケードマシンや、ファミコンのライトゲームといったレトロゲームに関するブースが大量に出展されました。また、その3ヶ月後である9月に開催された東京ゲームショウでもファミコンなどのレトロゲームが大きな注目を浴び、メディアでも取り上げられました。
 「ボヘミアン・ラプソディ」「全裸監督」「レトロゲーム」これらは全て80年代に生まれたものです。実に約30年〜40年前の「昔の」コンテンツです。2019年の注目すべき動きとして、この昔のように思えるカルチャーが、80年代カルチャーをリアルタイムで体験した人はもちろん、若者をも魅了している現象が起きました。もともと80年代の現場に居合わせた人たちからは、この80年代コンテンツは支持されていました。ここにきて、2018年以前から醸成されていたものが、2019年に一気に飛躍したと言えるでしょう。
 ここで「80年代」を、カルチャーとして捉えてみます。80年代には、それまでの「モダニズム」(機能主義・近代合理主義的な考え方)に対し、そこから脱却する「ポストモダン」(多様性や革新性)が生まれました。このポストモダンがアート、ファッション、音楽、ゲームを含む80年代カルチャーを象徴する思想でもあります。
 現代でも、モダニズムはガジェットやインテリアなどに反映されていますが、一方で、ポストモダンが本来指している「人々に共通する大きな価値観が消失してしまった現代的状況」は、まさに現代の世相を反映していると言えます。
 「ボヘミアン・ラプソディ」「全裸監督」「レトロゲーム」は、それぞれ当時の革新性を象徴しています。この革新性が現代版にリメイクされ、「古くて新しいもの」として世の中に受け入れられている、それが数字で表れた2019年となりました。

2)2020年の展望

〜「ヴィンテージIP」を中心に80年代テイストが台頭〜

 2019年で作られた80年代カルチャーの流れは、2020年はもちろん、中長期的に続いていくと考えています。ビジネス観点では、①80年代世代は、可処分所得が多い②また80年代を経験している団塊ジュニア世代が各企業の決裁者となっていることが大きな要因です。
 80年代に渋谷や池袋を変えていったシード館、WAVE、LOFTを作った「西武セゾン文化」は、文化の作り手も受け手も一種の共犯関係を持って浸透していきました。これは、現代のSNS文化、つまり、発信者と受信者が相互に作用し、影響が広がっている構造と近いと言えるでしょう。テクノロジーの発達によって、80年代の雰囲気を若者自体が持ちつつあると考えています。
 ダブルエルでは、80年代当時が持つポストモダンカルチャーを「ヴィンテージ」と表現しています。ダブルエルが取り扱う80年代カルチャーの商品やコンテンツを「ヴィンテージ」と表現することで、郷愁的でありながらも新鮮なカルチャーとして世に中に示し、世代を超えた魅力を伝えていきたいと考えています。
 特にゲームの世界は、アニメやマンガと異なり、オリジナルコンテンツでヒット作が出てくることはほぼありません。過去作品の続編やリメイクが上位を独占する状況です。つまり、ゲーム業界においては、いかに過去の名作を現代版に作り直せるか、ここが大きなポイントとなります。
 ダブルエルグループは過去名作のIP(=知的財産)を多く保有しており、2019年は様々な開発、提供をしてきました。2020年は、80年代カルチャーの流れを活かしながら、「ヴィンテージIP」としてこの魅力を発信し、カルチャーの流れを加速させていきます。

ダブルエル代表 保手濱が、「ヴィンテージIP」から見る80年代カルチャーの魅力を語る

インディージョーンズ、ターミネーター、ダイハード、バック・トゥ・ザ・フューチャー、、、今観ても面白いこれらの傑作は、全て80年代に作られたものです。
80年代は、第二次世界大戦後の経済成長がひと段落し、人々の生活に余裕が生まれ、娯楽という分野に傑出した才能が集まってきた時代だったといえるでしょう。その結果として、映画の分野では上記のような名作が作られ、またゲームの分野でも、スーパーマリオブラザーズが牽引した「ファミコン」がブレイクした時代でした。ドラゴンクエスト・ファイナルファンタジーといった名作も80年代に第一作が作られており、懐かしいピコピコ音で作られた数々の名曲が、今でも頭の中で反芻しています。 
ここで重要なのは、私自身は84年生まれであり、80年代そのものにはほぼ物心がついていなかったということです。つまりリアルタイムに体験していない80年代以降の世代にも、マスターピースとして脈々と受け継がれる「本物」が数多く生まれたのが、80年代だったと言えるでしょう。
技術がまだ成熟していないからこそ、企画や内容、創意工夫で、小手先に頼らない骨太な作品しかヒットしなかった時代です。この時代に生まれたクリエイティブにこそ、今後の人類コンテンツ史に受け継いでいくべきエッセンスが集約されていると思います。今後の時代を担う作り手としては、80年代カルチャーの本質を学び、今の時代に活かしていくという姿勢がとても重要であると考えます。
我々も業界の今後を牽引する身として、ますます同カルチャーへの造詣を深めていきたいと思います。